LTFFRを目指して


天文小話 七夕回



 星に願いをと言われますと音ゲーマーとしてはポップンミュージック10にて行われたイベントのコラボ曲を思い出しますね
その際にBeatmania IIDXとポップンミュージックのサウンドディレクター同士によるコラボユニットで作られた楽曲が音ゲーマーならば知っていなかったらモグリという程の名曲、「votum stellarum」です

wac氏の作成した美しいコード進行がdj TAKA氏により肉付けされ、1+1は∞と昔どこかのアニメで聞いたような楽曲となっております







 いや、これ音楽紹介シリーズじゃないからね!?
多分この曲紹介するだけでいい文章量になりそうだけれども


 そういえば最近大塚愛を久しぶりにテレビで見ました
プラネタリウムをピアノで語り弾きしておりましたがああゆったりとしたアレンジも悪くありませんでした
大塚愛はエネルギッシュなイメージがありましたのである意味新鮮でしたね
皆様の目にどう映るかは計り知れないところでございますが、私は暖かい目で見て行きたいと思います








もう!だからなんで話が逸れるのさ!



今日はリクエストを頂きましたのでそれについて書きたいと思います

テーマ「プロデューサー、七夕ですよ、七夕!」



>そろそろ七夕ですが七夕伝説にちなんだお話はないのですか?

 というリクエストを頂きましたので今回は第三回という名の特別編です、エクストラヴァージョン
そういえば他の方が記事になさっていたのを見たのですが、スーパームーンという天体現象が先日ありましたね
バトンの時に書こうとしてうっかり忘れてしまいました……
実際その日、私の住んでいる地域は曇りでしたし観測機材は丁度持ち合わせていませんでしたししたし
言い訳は以上になります
基本的にこういったイベント系には弱いです

では本題

 7月7日は七夕の日そして7月5日は私の誕生日
殆どの日本人が持つ共通認識であると存じます
 これらの起源は元々、中国は漢の時代において今伝えられる物語とほぼ同型である織女と牽牛の伝説に見られます
所謂織姫と彦星ですね
大まかに伝説を解説しておきましょう

織姫と彦星は年に一度、7月7日のみに逢瀬を許される
そしてその際は天の河を、かささぎの造る橋を渡って行く

こんなところですね
 伝説に関しましては上記の通り中国に起源があります
しかしこの「たなばた」という読みは日本固有の物でして
皆さん大好き古事記の詩から取られたもののようです
実は中国由来であるはずの七夕が日本では節句の一つに数えられているのもこの辺が関連しています
平安時代に宮廷行事として行われていた物がゴッタmixになったそうです
だらしないのは顔つきだけでは無くこんなところにまで表れているようですね、流石
 あと元々七夕というのは7日の夕方に行われた故の当て字であるようでして、元々は棚機と書いたそうです
漢字で書いてみるととてもしっくり来ますね

 さて、一通り逸話について話したところで今度は雲の上の話をしたいと思います
中国では今尚発展しているらしい?占星術の一環として天文学の研究がなされていました
これは歴史上、どの世界観においても起こり得たことですね
但しこの天文学は占いの為に使う星の運行を調べるといったものでした
これは今日で言う天文物理学、もとい位置天文学ですね
星の運行の法則につきましては近代最も偉大な物理学者達の一人、アイザック・ニュートンの立てた法則によりほぼ全てが解決されましたので今ではそこまで人の多い分野とは言えませんね
ただ勿論今も新しいテーマはありますが


少し話を戻しますね

 中国の天文学において、星空は二十八宿という主だった星を元に分割されて考えられてしました
二十八宿には偉人や伝説から名付けられている物が多く、その中に牽牛星と織女星もあります
これがそれぞれ西洋の天文学におけるわし座のアルタイルこと座のベガですね
混沌幻魔でもなければタイラン出身の人でもない
ちなみにこの二十八宿には日本で星座の別名として知られているものが数多くあります
例えばおおぐま座の北斗七星、おうし座の、また南斗聖拳六星(但し現在のみなみじゅうじ座ではなく射手座のこと。多分長安や北京からみなみじゅうじ座は見えない筈)等があります元斗は?西斗は!?ねーよ

 ちなみに宙のまにまにを読んだ方ならオリオン座の別名もご存知の筈


恐らく言うまでも無いとは思いますが皆さんアルタイルとベガの見つけ方はご存知ですよね?
そう、アレガ、デネブ、アルタイル、ベガ、キミガ、ユビサス、ナツノ、ダイサンカクから成る夏の八角形を

……ではなくデネブ、アルタイル、ベガから成る夏の大三角形ですね
どこの冬のダイヤモンドだよって話ですよ
あれ数多すぎて覚える意味があるのか今いち分かりません
基本的にはこの大三角形を見つけると両辺の長い鋭角を持つ二等辺三角形に見えると思います
その鋭角の頂点がアルタイルです
ベガはまたややこしいですが残った二つのうちで周りの星と大きな十字架が作れる方、それがはくちょう座のデネブですのでそちらではない方がベガですね
そもそも夏の大三角形が見つからない?これは住んでいる場所により2パターンありますね


CASE1~都会の場合~

 そもそも都会は明る過ぎて夏の大三角形でギリギリ見える程度です
適当に真上を見上げれば見つかります

CASE2~大都会の場合

 暗過ぎて星がいっぱい見えるようといった場合
最悪小学校の頃使ったであろう星座早見盤と方位磁針さえあれば十中八九見つかります
分かりやすいですから
無ければこの時期ですと大体22、23時頃にもなればほぼ頂点に大三角形が来ますのでそれを参考に
丁度こと座のベガが頂天に来る形ですね

 大都会等の暗い場所で晴れてさえいれば二つの星の間に見事な天の河、西洋で言うミルキーウェイが綺麗に見えると思います

 ミルキーウェイという言葉はギリシア神話に由来します
ヘラクレスが赤ん坊の頃、母親である女神ヘラの乳を吸っていたがその力があまりに強すぎたため思わずヘラが離してしまいその時にこぼれた母乳が天の河になったという伝説が残っています
健全な話ですからね、そこの男子諸君



 天の河はこの日、かささぎが橋を架けて二人を引き合わせると先ほど説明しましたね?
そのかささぎが橋を架けるって話を皆さん何処かで耳にした事はありませんか?
私は全句覚える程行事に力を入れていましたのでこの話を聞いた時すぐにピンときました
そう、前回の記事でも話題になりました藤原定家が編纂した小倉百人一首です
この七番目の歌、三十六歌仙の一人である中納言家持こと大伴家持の歌にはこうあります

『かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける』

ここまでご紹介しておけば皆さんにもご理解頂けたことでしょう
あの、一応天文記事なのでここで解説するのはナンセンスと言いますか
誰か、古典の記事とか書いてそうな人とか書かないかなー

ここまで冗談です、オフレコでお願いします
誰も録音とかしてませんよね?
では続けます

後は見つけたならば見るだけでしょう
彼と彼女、略してカレカノは果たして出会うことは出来たのだろうか
そもそも人間の勝手で暦を約一ヶ月ずらされたせいで大体七夕の時期は梅雨の中なことに憤慨しているのではないか
出会ったならばまず始めに何をするのだろうか
一年に一度とはいえ千年以上続けていると飽きないのだろうか
実は牽牛が余所者の超新星に目移りしてしまいそろそろ離婚調停が持たれるのではないか
何でも結構です
少なくとも思想の自由については憲法で保証して貰えますから


私はこの日が誕生日では無くて良かったなあと思いつつ今日も夜空を仰ぎ、帰宅の途に就きたいと思います




補足:
今回記事を作成するにあたってDeep Blue Seaさんが配布しているXANO明朝を使用させて頂きました
http://deepbluesea.jp/
また、あえて記事に載せることはしませんでしたがアストロアーツさんの記事に「織女星と牽牛星の距離」というものがあります
面白い記事だと思いますので紹介しておきます
http://www.astroarts.co.jp/news/1999/07/990708NAO272/index-j.shtml

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